日本語ドメインのメリット・デメリット 2016

まめわざのご利用を機に独自ドメインを取得されるお客様より、日本語ドメインに関するご質問をいただきます。
日本語ドメインは「インパクト」「覚えやすい」というような売り文句で積極的に宣伝されることが多く、初回の取得費が激安の場合もあります。
日本語ドメインは本当にアリなのか?古くから議論のあるテーマですが、まもなく2016年の現状を踏まえて独自に分析をしてみます。

項目評価説明
メールアドレスとして使う×MXレコードが設定できず使用できない。
メールアドレスとして独自ドメインを使いたい場合は致命的な問題。
他言語対応化×日本語以外のページを作る可能性がある場合は、日本語ドメインはやめた方が親切。
ただし、言語によってドメインを使い分けて、日本語のサイトを日本語ドメインにするのは可。
SNSでの宣伝×Facebook・Google+・はてなブックマークなどでpunycode変換がされるのを確認。
xn--○○○○○○.jpというような文字列(punycode)に置き換わるので、逆に怪しまれる可能性も。
ドメイン費用日本語.jpは英数ハイフンよりも安い。
.comなど基本的には同額。ドメイン管理会社が初回登録時だけ激安販売していることがあるので、1年目ではなく2年目以降の費用で要比較。
ドメインの空き状況空いているので好きなドメインを取りやすい。
SEO検索ランクアップのメリットは既に無さそう。
しかし、検索結果に表示された際に目立つのでクリック率アップの効果は多少ありか。
ソフト・プラグイン対応海外製のjQueryプラグインなど、punycode変換しないと扱えない場合あり。
CMSによっては正しく表示されない場合も。
インパクトがある、覚えやすい--珍しいが、アドレスバーを見なければ気付かない。名刺などに記載すると逆に目立たない(ドメインと認識されない)。
覚えやすくはない。
直打ちしやすい--日英の切替をする必要があって面倒。
未対応ブラウザがある--サポートの継続されているブラウザは全て対応していると思われるので考慮する必要はなさそう。

Punycodeとは

以前のブログ記事でpunycodeについて記載していますが、おさらいです。
ドメインには基本的に英数・ハイフンしか使えないので、あるルールの下で日本語を英数・ハイフンに変換し、疑似的に表示しています。このルール(フォーマット)をPunycode(ピュニコード)と言います。

punycodeの例

日本語punycode変換後
ピュニコード.jpxn--tck1be9azfug.jp
ピュニコード.みんなxn--tck1be9azfug.xn--q9jyb4c

ざっくりといえば、人の目に触れるところでは「punycode→日本語」の変換がなされ、コンピューターの内部ではpunycode(英数・ハイフンの羅列)で処理される、という感じです。

解説

メールアドレスとして使うなら却下

基本的には、メールアドレスには使えないので、メールアドレスとして使いたい場合、将来メールアドレスとして使う可能性がある場合は、日本語ドメインは選択肢から外れます。
尚「基本的には」と書いたのは、最大手のドメイン管理会社「名前.com」でははっきりと「日本語ドメインはメールアドレスとしては使えません」とありますが、一方でGMailが「日本語ドメインへのメールを送信できる」と謳っています。punycodeのMXレコードを設定できるような環境であれば、punycodeのドメインをメールアドレスに設定することは可能かと思われます。いずれにせよ敷居は高いと思われます。

外国人も見る可能性があるならやめた方が親切、他言語ページを用意するなら却下

日本語ドメインは外国人には不便です。
例えば我々がアラビア語の文字をキーボードで打ち込むためには、OSの設定を変える必要があります。手軽にキーボードで打ち込めない文字を住所に使うのは得策ではありません。
日本語に対応していなくても、外国人の興味を惹く内容がある場合は注意が必要です。日本語ドメインであれば、外国人が友人にアドレスを教えることすら容易ではありません。
もし、外国語のページを用意したい場合、将来その予定がある場合は言わずもがな、日本語ドメインは選択肢から外した方が良いでしょう。

SNSの宣伝にはやや不向き

FacebookなどのSNSでは、強制的にpunycode変換がされて表示するため、URLの表示欄に「xn--tck1be9azfug.jp」のような文字列が表示されてしまいます。
ユーザーが「怪しいアドレス」とに気にする可能性は大いにあります。

ドメインの取りやすさが魅力

試しに検索してみると「うどん.biz」や「服.biz」が取得可能でした(2015年12月25日現在)。
このように、日本語ドメインは空きが多く取得が容易です。アルファベットでは取れなかったドメインが日本語なら選び放題ということもあります。
一方で、取りやすいということは、不人気であり相対的に価値が低いことが分かります。

jpドメインの安さが魅力、初回登録バーゲンに騙されないこと

jpドメインは「日本語.jp」の方が英数ハイフンよりも安価です。2,000円弱の差があります。なるべく安くしたい場合は大きな魅力です。
一方で、jp以外のドメインは同額です。しかし、ドメイン管理会社が初回費用を割引で販売していることが多いため、2年目からは同額にも関わらず、一見すると安いように思えます。2年目以降の料金(更新費用などと表記される)に目を向けましょう。

検索結果に表示されるのはちょっと有利

日本語ドメインが検索エンジン対策で有利に働いていた時期がありましたが、現在はその優位は解消されたと考えられています。
しかしながら、検索結果に日本語ドメインが表示された際、クリック率がアップする可能性があり、その点に置いて現在もアドバンテージがあります。

昔から言われていたメリット・デメリットはあまり気にしなくて良い

日本語ドメインが「覚えやすい」「インパクトがある」という昔からの売り文句は、大きなメリットとは思えません。覚えやすくなないですし、今更インパクトもありません。
現在もメーカーにサポートされている「新し目」のブラウザは100%日本語ドメインに対応しており、未対応ブラウザをデメリットとして気にする必要はありません。

2015/12/25