Yahoo!カテゴリが終了~SEO今昔物語

2018年3月29日にYahoo!カテゴリが終了しました。
現在アクセスをすると「1996年の弊社創業時から長きにわたりご愛顧いただき、誠にありがとうございました。」という説明が表示されます。
ちょっと感慨深いので、Yahoo!カテゴリの歴史とともにSEOを振り返ってみます。

Yahoo!Japanの検索エンジンの年表

ディレクトリ型検索エンジンの歴史も
  • 1996年
    ディレクトリ型検索エンジン(=Yahoo!カテゴリ)をスタート
  • 1999年頃
    ロボット型検索エンジンのgooと提携しディレクトリ型と併用開始
    (ディレクトリ型でヒットがない場合にロボット型の結果を表示)
  • 2000年5月
    ロボット型検索エンジンとしてGoogleと提携
  • 2004年5月
    ロボット型検索エンジンとしてYSTを採用
  • 2005年10月
    ロボット型をデフォルトの検索エンジンに変更
  • 2007年
    ディレクトリへの優先登録審査をするビジネスエクスプレスをスタート
  • 2010年7月
    ロボット型検索エンジンとしてGoogleと提携
    * MicrosoftがBingを日本でスタート
    * 米Yahoo!がYSTの開発を終了
  • 2014年12月31日
    * 米Yahoo!のディレクトリ型検索エンジンが終了
  • 2017年3月
    * ディレクトリ型検索エンジンのDMOZが終了
  • 2017年7月
    ビジネスエクスプレスを終了
  • 2018年3月
    ディレクトリ型検索エンジンを終了

* ) 関連する歴史

SEO今昔物語

1.Yahoo!カテゴリ全盛期

1999年頃まで

ロボット型検索エンジンが登場するまでは、Yahoo!カテゴリが最も人気のある検索エンジンでした。

この頃のYahoo!カテゴリの役割

Yahoo!カテゴリ=検索エンジンで、Yahoo!カテゴリからのアクセスに多くのサイトが依存していました。

この頃のSEO

SEOはありませんでしたが、Yahoo!カテゴリに登録することが唯一無二の検索エンジン対策でした。

2.ディレクトリ型&ロボット型併用期

2005年頃まで

gooやGoogleなどロボット型検索エンジンの台頭により、ロボット型の利用者・検索エンジンの利用者が増えました。
ロボット型検索エンジンの精度が悪い初期は、「1,000,000件HIT」というヒット数のインパクトが強く、「量のロボット、質のディレクトリ」という様相で、ディレクトリ型を使用・併用していた人も多かったと思われます。
それからロボット型の精度が改善するにつれ、Googleの利用者が増加します。
利用者の流出を防ぐべく、Yahoo!は2005年にデフォルトの検索エンジンをディレクトリ型からロボット型に切り替えました。

この頃のYahoo!カテゴリの役割

すでに検索エンジンとしては主流ではなくなりましたが、依然としてYahoo!カテゴリからのアクセスは少なからずありました。
また、SEOの被リンク獲得対象として注目され始めました。

この頃のSEO

SEOの黎明期で、meta・h1・strongなどのタグを有効的に使って得点するような機械対策的な手法でした。
Googleが隠しテキストやクローキングなどを禁止する一方で、そのような禁じ手でも上位表示が可能でした。

この頃の対策は、今現在も検索結果に多く表示され、昨今のSEOを誤認させるノイズとなっています。

ロボット型検索エンジンへの転換期、Google・Yahoo!並立期

2004年頃~2010年頃

Yahooがデフォルトの検索エンジンをディレクトリ型からロボット型に切り替えました。
YahooはGoogleと提携してロボット型検索エンジンを提供していましたが、2004年に米Yahooに習いYSTという独自のロボット型検索エンジンを採用しました。

この頃のYahoo!カテゴリの役割

利用者が減りYahoo!カテゴリからの直接のアクセス数は減少しました。
一方、SEOにおいて被リンクの重要度が増し、Yahoo!がロボット型で独自のYSTを採用したこともあり、被リンク獲得対象として重要視されました。
Yahoo!そこに目をつけて有料の優先審査サービス「ビジネスエクスプレス」をスタートしました。

この頃のSEO

ページ内にキーワードを詰め込む内部SEOに対して、被リンクを獲得する外部SEOの重要度が高まった時期です。
相互リンクが盛んになり、リンクプログラムなどが流行りました。

海外ではGoogleが圧倒的にシェアを握る反面、日本ではYahoo!が強く、世界で唯一YST対策に注力しなければいけない国、という状態でした。
YSTは傾向が掴みづらく、上記の理由から海外からの情報が少なく非常に大変な時期でした。

テクニックSEO全盛期

2010年頃~2013年前後

YSTの開発終了を受けてYahooがYSTからGoogleに切り替わりました。
時を同じくしてMicrosoftがBingを日本でスタートしました。表向きはGoogle・Yahoo!・Bingの三つ巴ですが、Yahoo!がGoogleを採用しており、両方のシェアが圧倒的なため、日本の検索エンジン市場は実質Googleの寡占状態となりました。

この頃のYahoo!カテゴリの役割

被リンク獲得対象として存在していました。

この頃のSEO

キーワード選定・キーワードの配置・タグの利用・文字数・キーワード出現率などの内部SEO、被リンク獲得・リンクテキストなどの外部SEOなど、テクニック的なSEOが全盛でした。

SEOへの注目が高まり、SEO業者が増えました。
この頃のSEOで現在も営業を行っている業者もいると思われます。

SEO衰退期

2013年前後~

検索エンジンを掌握するGoogleがパンダアップデートやペンギンアップデートなどを実施し、テクニック的なSEOを排除する方向に舵を取ります。同時にコンテンツの質や量が重要視されました。
Googleは、人の目線で役に立つ情報をロボットで判断するという目標に少しずつ近づいているように思われます。

覇権を握るGoogleが「SEOの加点となる」という人参をぶら下げて、ページの読み込み速度・SSL・モバイルフレンドリー・AMPなどの導入・改善を促進しています。

この頃のYahoo!カテゴリの役割

被リンク獲得対象としても価値がなくなり、米Yahoo!のディレクトリやDmozに続いてサービスを終了しました。

この頃のSEO

他にはない専門性を伴った文章を作ることが、最大のSEOとなりました。
そのため、ライターを雇って文章を書かせる大手サイトが増え、パクリ問題などが発生し、Googleはその対策も行いました。

昨今のSEO、これからのSEO

SEOは20年弱と浅い歴史の中で、様々な変化を経てきました。

タグの配置やキーワード出現率など、ゲームを攻略するような機械対策のときがSEOの全盛期であったと思います。
今は「良いコンテンツを作ること=最重要なSEO」であることは誰も否定できないでしょうが、それは全盛期のSEOにあった「ゲーム攻略」のような楽しさを伴うものではありません。

全盛期のSEOは、多くの人を悩ませ、同時に魅了し、今も多くの情報がネット上に残っています。
しかし、それはすでに過去のことです。今でも「メタタグでキーワードを入れるにはどうしたらいいか」と質問をいただくことがありますが、それは意味がありません。

「試験の点数」から「日々の努力」へ判定基準が変わったようなこの変化は、一般のホームページの管理者に不利益ではありません。むしろ皆にチャンスが巡ってきたと言えます。
コンテンツ重視はGoogleが主導するものであり、Googleの寡占状態を考えれば、この傾向は続くと言えるでしょう。
まめわざでは一貫してシンプルに主張しています↓
コツコツと良いコンテンツを作成し、上位表示を目指しましょう!

2018/5/1