独自ドメインをどこで取得したら良いか、という質問をいただくことがありますので、ここでドメイン管理会社(レジストラ)の比較をしてみます。
.com・.jp・.co.jpなどよく見かけるドメインの他に、.tokyo・.okinawa・.club・.shopなど新しいドメインが利用できるようになりました。
このドットの後ろ側(=トップレベルドメイン)が人気なほど、競争率が上昇します。例えば、最も有名な.comは競争率が最も高いドメインです。
mamewaza.comは取得済みでも、mamewaza.tokyoは空いている、ということがありますので、ドメインを選ぶ際には、ドットの後ろ側のバリエーションについても検討しましょう。
さて、このドメインの種類ですが、あらゆるドメイン管理会社があらゆるドメインを扱っているわけではありません。
次表のようにドメインの種類によって扱う会社が絞られる場合があります。
.com .jp .co.jp | .tokyo .okinawa .club .shop | .osaka | .kyoto | |
---|---|---|---|---|
お名前.com ムームードメイン バリュードメイン (GMOグループ) | ○ | ○ | × | × |
スタードメイン | ○ | × | × | × |
osakaレジストリ株式会社 | × | × | ○ | × |
京都情報大学院大学 | × | × | × | ○ |
ゴンベエドメイン | ○ | ○ | ○ | ○ |
.osakaや.kyotoのように、ドメインのメーカーのような立場の団体が販売するケースもあります。
ただし、下表の例のように、費用がバラバラで分かりづらいので注意が必要です。
.work | 1,069 円 |
---|---|
.works | 4,298 円 |
ドメイン管理会社では、格安・無料でホームページ用サーバー(ウェブサーバー)やメールサービスを提供しています。一部を以下に例示します。
ドメイン管理会社 | オプションの種類 | サービス名 | サービスの料金 |
---|---|---|---|
スターサーバー | ホームページ用サーバー | スターサーバー | 無料 |
ムームードメイン | Wordpress用サーバー | ムームードメイン for WPホスティング | 6,480円/年 (500×12ヶ月+税) |
メールサービス | ムームーメール | 648円/年 (600+税) | |
お名前.com | メールサービス | お名前メール | 540円/年 (500+税) |
さくらインターネット | メールサービス | さくらのメールボックス | 1,029円/年 |
さくらのメールボックスを除くオプションは、提供しているドメイン管理会社で取得したドメインでのみ利用できます。
ドメイン料+ホームページ用サーバー、ドメイン料+メールの総額で安くなるようなら、これらのオプションを使う目的でドメイン管理会社を選ぶ方法もあります。
参考記事:ムームーメールとさくらのメールボックスの比較記事はこちら。
サーバー会社が付属品としてドメインを販売するケースがあります。
セット購入することで、ドメインの設定が簡素化できたり、請求をまとめることができる場合は、大きなメリットとなります。
ただし、下記の例のようにドメイン専門店に比べて割高になる場合があります。
.com | .jp | .co.jp | |
---|---|---|---|
お名前.com | 1,382円 (1,280+税) | 3,067円 (2,840+税) | 5,616円 (5,200+税) |
ファストサーバ | 3,456円 (3,000+税) | 7,344円 (6,800+税) | 7,344円 (6,800+税) |
上記した条件(サーバー・ドメイン種類・メールサービス)だけでドメイン管理会社が決まらない場合は、料金を比較して決めましょう。
ドメインの料金表に、更新・取得・移管の費用が別々に設定されている場合があります。これらの費用は次の意味があります。
1年目の料金 | 取得費用(取得した1年目に適用) または 移管費用(移管した1年目に適用) |
---|---|
2年目の料金 | 更新費用 |
・・・以下同 |
このように料金を分けるのは「取得・移管料金を安くして利用者を獲得する」という宣伝手法のためです。
通常はドメインは長期に渡って利用するため、目先の「取得」「移管」費用ではなく、「更新」費用を比較するのが適切です。
.com | .net | .jp | .co.jp | .mobi | ||
---|---|---|---|---|---|---|
GMO | お名前.com | 1,382 | 1,598 | 3,067 | 5,616 | 2,138 |
ムームードメイン | 1,598 | 1,598 | 3,283 | 4,298 | 2,138 | |
バリュードメイン | 1,382 | 1,598 | 3,067 | 4,082 | 2,138 | |
ゴンベエドメイン | 1,382 | 1,598 | 3,067 | 5,616 | 2,678 | |
スタードメイン | 1,274 | 1,382 | 2,548 | 3,974 | 2,030 | |
FC2 | 1,080 | 1,180 | 2,780 | 3,920 | 2,080 |
ご覧のように費用に着目すると、スタードメインとFC2がおすすめです。
ただし、FC2ドメインには次の注意点があります。
お名前.com、ムームードメイン、バリュードメインは運用実績の長いドメイン管理会社です。
かつてはライバルでしたが、買収によりいつの間にか同じGMOグループ傘下となっていました。
これにより、日本のドメイン管理会社としてのシェアは約9割(平成28年3月の総務省の資料)、世界のランキングでも10指に入る巨人です(ドメインの世界ランキング)。
GMOグループは、ドメインの種類の多さや、充実のオプションサービスが魅力です。
.tokyoのように取得できる管理会社が限られる場合は有力な選択肢となり、ムームーメール・お名前メールのように魅力あるオプションサービスが使いたい場合は唯一の選択肢となります。
価格的にも、他社よりも極端に高いわけではないので選びやすいと言えます。
上記の表にあるように最安ではありません。
「ムームードメイン=安い」「バリュードメイン=安い」と考えていた方も、表を見て考えをあらためましょう。
GMOグループでは、以下のキャプチャのように「取得」費用(=1年目の費用)を全面に押し出すことで安さを演出しています。1年目が69円+税→2年目以降が4,980円+税という極端な例(.online)もあります。ドメインは複数年利用することが多いので、1年目の料金だけで決めるのは問題です。
また、税別表記であることが極めて小さく表記されているので注意が必要です。
GMOグループでは、アフィリエイト広告を利用しています。
ドメインを話題にしたブログ記事ではGMOグループを推していることが良くありますが、アフィリエイト広告によりライターが収益を得られることが影響していると思われますので、その点も注意が必要です。
GMOグループに限らず、ここ数年間でドメインの料金は値上がりしています。
しかし、GMOグループの値上げ幅は他よりも大きめです。
今年2018年にムームードメインの.comの料金が上がり、5月次点では据え置かれているお名前.comやバリュードメインもこれに続く可能性が懸念されます。
ドメインは、管理会社を別の会社に変更することが可能です。
次の場合は、GMOグループから別のドメイン管理会社に乗り換えが可能です。
.tokyoのように取得できる管理会社が限られる場合も移転は可能です。
しかし、移転して費用が上昇する場合もあるので、ここでは取り扱っていません。
移転先としては、費用面から以下のFC2ドメイン・スタードメインが挙げられます。
ドメインの種類 | GMOグループ | 移管先 | |||
---|---|---|---|---|---|
管理会社 | 年額 | 管理会社 | 年額 | 下げ幅 | |
.com | お名前.com バリュードメイン | 1,382 | FC2ドメイン | 1,080 | 302↓ |
ムームードメイン | 1,598 | 518↓ | |||
.jp | お名前.com バリュードメイン | 3,067 | スタードメイン | 2,548 | 519↓ |
ムームードメイン | 3,283 | 735↓ | |||
.co.jp | お名前.com | 5,200 | スタードメイン* | 3,974 | 1,226↓ |
バリュードメイン | 4,082 | 108↓ | |||
ムームードメイン | 4,298 | 324↓ | |||
.net | お名前.com ムームードメイン | 1,598 | FC2ドメイン | 1,180 | 418↓ |
バリュードメイン | 1,609 | 429↓ | |||
.info .org | お名前.com バリュードメイン | 1,598 | FC2ドメイン | 1,080 | 518↓ |
ムームードメイン | 1,814 | 734↓ | |||
.biz | お名前.com バリュードメイン | 1,598 | FC2ドメイン | 1,280 | 318↓ |
ムームードメイン | 1,706 | 426↓ | |||
.mobi | お名前.com バリュードメイン ムームードメイン | 2,138 | スタードメイン | 2,030 | 108↓ |
*) co.jpはFC2が3,920円と僅差で最安値ですが、.jpでネームサーバーサービスが使えないことから、.co.jpでも利用できないと思われます。そのためスタードメインを挙げました。
各料金は2018年5月のもので、今後は変動する可能性があります。また、転載ミスの可能性もありますので、必ずご自身でご確認ください。
移転の流れは、ざっくりと言うと次の2ステップに集約されます。
.jp(汎用jp、属性jp)以外の場合は、Authcodeが必要になります。以下、jpかどうかで手順を細かく見てみます。
A社→B社に移転するとします。
jpドメインは、ドメインの管理者=指定事業者であり、ドメインの移転=指定事業者変更となります。
jp以外で必要だったAuthcodeがありません。
A社→B社に移転するとします。A社で登録した指定事業者をX、B者で登録した指定事業者をYとします。XとYはいずれも自社のことで、同内容となります。