Yahoo!スポンサードサーチでターゲット地域を国内に絞り、虫眼鏡SEOがらみの損失を防ぐ

まめわざは先月スタートしたサービスのため、現在は主にリスティング広告でのアクセスに依存しています。
日本ではGoogle Adwordsと双璧をなすYahoo!スポンサードサーチで、広告配信を国内限定にする方法と、それに至る過程を解説します。

都道府県選択で疑似的に国内限定

Adwordsの広告設定には、「ターゲット地域」欄があって、そこで国・都道府県・市町村などの設定が可能です。
Yahoo!スポンサードサーチでも同様に「ターゲッティング」という項目がありますが、ここでは47都道府県と市町村の選択肢のみが表示され、国の設定は出来ないようです。
ここで、47都道府県を全て選択することで、国外からのアクセスを制限できます。Yahoo!に直接質問して裏も取りました。尚、Yahoo!の回答には

「ターゲティングの精度(正確性)はYahoo! JAPANによって保証されるものでない」

という免責メッセージが載っていましたが、都道府県の判定はIP・ホストから行っていることから、一部の環境では都道府県の判定ができず、広告が非表示になるということだと思われます。
地域限定の指定をしている広告は非常に多いと思われますので、Yahoo!にとって都道府県判定の精度は売上に直結する重要な要素です。よって、その精度は高く、また日々アップデートも行っている、と期待して良いかと思います。

Yahoo!スポンサードサーチは海外からのアクセスにも対応

今回、アクセスを国内に制限しようとしたのは、右図のようにGoogle Analyticsで確認したところ海外からのアクセスが圧倒的に多かったからです。
Yahoo!スポンサードサーチの管理ページで、実際にどのようなキーワード検索時に広告が表示されたかを簡単にチェックできます(「表示内容選択」欄の「キーワード」タブをクリックし、グラフの下に表示される「検索クエリーを表示」ボタンから「全てのキーワード」をクリック)。今回は、このチェックでキーワードの傾向が異常だったことや、除外キーワードを追加する作業が追い付かないほど多かったことから、Analyticsでのチェックに移行しました。

47都道府県を設定した後は、右図のようにほぼ国内という状況に落ち着きました。

ところで、Yahoo!からのメール内には次のようなメッセージもありました。

Yahoo!プロモーション広告は、日本国内向けのサービスとなっておりますが、インターネットユーザーの所在地を判定できなかった場合などにおいては、海外から検索された際にも広告が掲載されることがございます。

上記のような現象から判断すれば、「IPから国判定をして、日本国内からのアクセスに限って広告を表示する」というような処理は一切行っていないと思われます。
地域指定をせずにスポンサードサーチをご利用中の方は、一度「国別アクセス」という視点で調べてみる価値はあると思います。
尚、マッチタイプなどのキーワード設定や、日々のチェックによって、今回のような損失は最小限に防ぐことが可能です。弊社では多忙のためにチェックが遅れ、今回は勉強代を払うことになってしまいました。

虫眼鏡SEO

この中国からの大量のアクセスは、様々な業務系キーワードにある企業名を結び付けて検索するものでした。
不自然に思えるような、長いキーワード、無作為なキーワードの羅列、がありました。
調べてみると、これはどうやら虫眼鏡SEOのための施策のようです。

キーワードの統計で「A B」というキーワードの組み合わせが多い場合に、AやBを検索したユーザーに「A B」の組み合わせを提案する機能がYahooにあります。
このキーワードは通常

A B で検索

というように虫眼鏡アイコンと共に表示されることから、虫眼鏡SEOと呼ばれています。
このキーワードの提案は、Yahoo検索の最上部に掲載されるため、それなりにクリックが見込めると思われます。
過去にこのSEOが問題となり、Yahooが対策を打ち出して沈静化したと思っていましたが、最近はまた活動期に入っているようです。

Yahooが、スポンサードサーチのクリックをこの統計に利用しているのかは不明ですが、少なくとも虫眼鏡SEOをやっている業者は、スポンサードサーチをクリックしています。
このようなSEO目的のクリックは単なる損失ですので、被害にあわないようご注意ください。

2015/5/26